1.早期釈放のメリット

刑事事件を起こして、逮捕されてしまうと、その後の勾留手続も含め、最大で23日間、身柄を拘束される可能性があります(内乱罪等の一部の犯罪を除きます。)。

数日間であれば、欠勤や欠席が許容される可能性があるかもしれません。
しかし、身柄拘束の期間が長引けば長引くほど、職場や学校において逮捕の事実が伝わりやすくなることが否定できませんし、日常生活への影響も大きくなっていってしまうでしょう。
一方で、逮捕後、早期の釈放を実現できれば、職場や学校等への影響を最小限にとどめた上で日常生活に戻ることができる可能性が高まります。

また、長期間収容施設に収容されること自体が、肉体的・精神的に大きなストレスになります。
刑事事件に対して真摯に向き合い、対応していくとなれば、相応の体力・気力が必要になってきます。
早期に釈放されることにより、このような肉体的・精神的ストレスを最小限にとどめることができるでしょう。

さらに、身柄拘束中の被疑者との面会は、収容された施設の規則に従うこととなります。
そのため、家族といえども、被疑者との面会は、その方法や時間に大きな制約を受けることとなります。
早期釈放により、被疑者は、自ら身柄拘束に至ってしまった事情等をご家族に説明することができますので、その後刑事事件に対応していくにあたって、ご家族からの心強いサポートを受けることができる可能性があるでしょう。

他方で、弁護人との面会は、家族の場合とは異なり、その制約は比較的緩やかです。
もっとも、被疑者は収容施設内で携帯電話を使用することができませんし、弁護人との間で自由に連絡を取り合うことはできません。
早期釈放により、柔軟に弁護人との間で打ち合わせができるため、謝罪・被害弁償や示談等の被害者の方への贖罪行為に加え、不起訴処分を獲得するための活動の準備を適切に行っていくことができます。

以上の点からすれば、早期釈放には大きなメリットがあるといえるでしょう。

2.早期釈放のための弁護活動

早期釈放のための弁護活動は、現時点での身柄拘束の手続の段階によって、行うことができる活動内容が異なってきます。

身柄拘束の手続は、以下の順番で進んでいきますので、これを踏まえて弁護活動についてご説明させていただきます。

【身柄拘束の手続の流れ】
①警察官によって逮捕されると、原則として48時間以内に事件書類とともに被疑者の身柄が、検察官に送致されます(送検)。
②事件書類と被疑者の身柄を受け取った検察官は、24時間以内に取調べ等を行った上で、勾留の必要があると判断した場合には、裁判所に対して、勾留請求を行います。
③裁判官は、勾留の理由(要件)が認められると判断した場合、10日間勾留する内容の決定をします。
④検察官は捜査の進捗状況等によって必要があると考えた場合には、勾留延長の請求をし、裁判官はやむを得ない事由があると判断した場合には、更に10日間の勾留を認める決定をします。

(1)検察官に勾留請求をしないように求める

事件書類が検察官に送致され、検察官が勾留請求をするまでの間(①~②の段階)、弁護人としては、検察官と直接面談をする、勾留請求をしないことを求める意見書および資料の提出をするなどの弁護活動を行っていくこととなります。

なお、警察官での捜査段階で、警察官に対して何らかの弁護活動を行わないのか、疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
弁護人として、警察官に対して、早期釈放に向けた弁護活動を行うこと自体は、考えられなくはありません。
しかし、刑事訴訟法の規定により、警察官が犯罪の捜査をしたときは、原則として、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならないと定められていること(全件送致主義)から、微罪処分となるような軽微な事件を除き、全件検察官に事件が送致されることとなっているため、注力すべきは送検以降の手続であるものと考え、記載しております。

(2)裁判官に勾留請求を却下するように求める

検察官から勾留請求がなされ、裁判官が勾留決定をするまでの間(②~③の段階)、弁護人としては、担当裁判官と直接面談をする、勾留請求を却下することを求める意見書および資料の提出をするなどの弁護活動を行っていくこととなります。

(3)裁判所に勾留決定を取り消すように求める

裁判「官」が勾留決定をした後や、勾留について延長決定をした後は(③~④の段階)、裁判「所」に対し、当該勾留決定(または当該延長決定)が違法であり、その決定を取り消すよう求める申立て(準抗告)をしていくこととなります。

3.早期釈放のために有利になる事情の主張

被疑者が住居不定ではない限り、証拠を隠滅するおそれ、逃亡のおそれがなければ、勾留することはできません。
そこで、早期釈放のために被疑者にとって有利になる事情の主張の例としては、以下のような事情を挙げることができます。

証拠を隠滅するおそれがないという事情

◎被疑者が自身の行った罪を認め、反省している
被疑者自身が罪を認めている以上、証拠を隠滅するおそれは低いと考えられます。

◎すでに必要な捜査は完了している
すでに必要な捜査が行われ、証拠が収集されていれば、証拠隠滅すること自体できないと考えられます。

◎被害者との示談が成立している
示談が成立しているのであれば、被疑者があえて被害者に接触して証拠隠滅を図る可能性は低いと考えられます。

逃亡のおそれがないという事情

◎軽微な罪である
軽微な罪の場合、処分も軽微であることが見込まれるので、あえて逃亡する可能性は低いと考えられます。

◎本人に定職があり、同居している家族がいる
仕事や家族を捨てて逃亡する可能性は低いと考えられます。

◎家族や、職場の上司が監督することを誓約している
家族や職場の上司が監督してくれることにより、逃亡自体困難になると考えられます。

4.弁護士にご相談ください

刑事事件の対応は、時間的に限りがありますので、早期に対応することが望まれます。
早期釈放を考えるのであれば、一度弁護士に相談していただくことをお勧めいたします。

刑事事件・刑事弁護に関するお悩み

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