1.逮捕・勾留されることによるリスクと不利益

逮捕・勾留されると、外部との連絡手段が著しく制限されます。
身柄拘束時に所持していた携帯電話・スマートフォン、パソコン等の通信機器は、捜査機関に取り上げられ、保管されることになり、自由に利用することができません。

外部と連絡を取る手段としては、面会または手紙のやりとり(信書の発受)が考えられます。
とはいっても、面会は、時間が制限されたり、施設職員による立会い・録音・録画がされたりすることで、完全に自由な面会をすることはできません。
また、手紙は、施設職員により検査され、その結果、手紙のやり取りが差し止められたり、記載が削除・抹消されたりすることもあります。

このように、外部との連絡手段が制限されることで、会社員であれば勤務先と、学生であれば通学先と、自由に連絡を取ることができなくなります。
逮捕により最大72時間、勾留により最大20日間身柄が拘束されますので、長期の無断欠席による懲戒・解雇や、退学・留年のリスクがあります。
また、家族や友人とも、自由な連絡をすることは難しくなります。

このようにして外部との連絡手段が制限されることによるストレス・不安が、精神面に与える影響は決して小さくありません。
加えて、収容施設での生活は快適というにはほど遠く、身体面にも影響を及ぼします。
起床時間・就寝時間は固定されており、入浴も週2~3回程度と運用する収容施設が多いようです。

このように、心身ともに疲弊した状況で、連日取調べを受けることで、「罪を認めたほうが早く解放されるのではないか」との期待から、自己に不利益な供述を積極的にしてしまったり、ありもしない事実を述べてしまったりすることがあります。
これにより、余罪発見による身体拘束の長期化や、えん罪の発生が生じるリスクがあります。

2.逮捕・勾留を回避する方法

逮捕・勾留を回避するために、被害者と示談をすることが考えられます。
暴行・傷害、窃盗、痴漢・盗撮といった被害者が存在する事件の示談においては、加害者から被害者に対して、示談金を支払うのと引き換えに、被害者が加害者の刑事処罰を望まない旨確認したり、被害届の取下げを約束したりします。

特に、名誉毀損・侮辱、器物損壊のような親告罪は、被害者による告訴がなければ公訴提起がされません。
そのため、このような犯罪類型の場合、示談による被害届の取下げは非常に有用です。
親告罪以外の罪でも、捜査機関としても、当事者が合意し納得しているのであれば、事件化して逮捕・勾留する必要がないと考えることになるでしょう。

加害者が真摯な態度で示談を成立させたことが明らかになれば、「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」が認められにくくなり、結果として、逮捕・勾留の回避につながります。

逮捕・勾留を回避するためには、自首をすることも考えられます。
公然わいせつ、薬物事犯のように、直接の被害者がいないため示談ができない事件において有用です。

3.自首について

自首をすることは、すなわち自発的に捜査機関に身を差し出すことであって、逮捕・勾留の要件となる「逃亡のおそれ」がないと評価できる1つの事情です。
自首により真摯に反省していることを示すことができれば、「証拠隠滅のおそれ」ないと評価されることもあります。
その後、刑事裁判になったとしても、自首が成立すれば、刑が減刑されることもあります。

一方で、自首をしたからといって、必ずしも逮捕・勾留を回避できるわけではありません。
住所不定の場合であったり、重大犯罪であったりする場合には、その場で逮捕される可能性もあります。

また、法律用語としての「自首」は、一般的に使われる「自首」とややずれがあるため、慎重な判断が必要となります。
例えば、ひき逃げ事件において、犯人の乗車していた車両の車体・車体登録番号が発覚していた場合には、犯人の氏名・住所が判明していなくても、「自首」には当たらないとする裁判例があります。

4.逮捕後の勾留を回避する方法

逮捕後の勾留は、検察官の請求により、裁判官が決定を行うことで行われます。

逮捕後の勾留を回避する方法としては、①検察官に勾留請求をしないよう働きかけること、②裁判官に勾留決定をしないように働きかけること、③勾留決定に対し準抗告(不服申立て)をすることなどが挙げられます。
そのためには、被害者と示談が成立していること、適切な監督者が身元保証人となる意思を示していること、事案軽微で比較的軽い処分が見込まれることといった事情を主張し、勾留の要件を満たしていないことを検察官・裁判官に訴えることが必要です。

逮捕されている場合は、身柄が拘束され、外部との連絡手段が制限されることから、主として弁護人が証拠収集や意見書作成など勾留回避に向けた活動を行うことになります。

5.弁護士にご相談ください

逮捕・勾留されることで、心身に与える影響や、家族・勤務先に与える影響は測り知れないものです。
逮捕・勾留を回避するためには、捜査機関が本格的に動き出す前に、弁護士に相談をして、示談や自首を行うことが効果的です。

当事務所では、刑事事件について、数多くのご相談・ご依頼をお受けして参りました。
お悩みの方は、お気軽に当事務所にご相談ください。
経験豊富な弁護士が、身体拘束の回避に向けてご対応させていただきます。

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