1 賭博の罪について
(1)単純賭博罪
「賭博」とは、偶然の勝敗によって、物や財産の得喪を争うものをいいます。
金銭を賭けて争う、賭け麻雀・賭け将棋・賭け囲碁・賭けトランプ・賭け花札・サイコロ賭博などが例としてあげられます。
近年では、スマホやパソコンから現金や暗号資産を賭けて、スロットゲームやバカラ・ブラックジャックなどのトランプゲームを行うオンラインカジノも、日本国内からアクセスして行った場合には賭博行為にあたるとされています。
なお、日本人が、賭博が合法である国や地域に行き、そこで本場のカジノを楽しむ分には、日本の賭博罪で処罰されることはありません。
また、競馬・競輪・競艇・オートレースといった公営ギャンブル、totoやBIGといったスポーツくじは、賭博行為とみえますが、個別の法律によって賭博罪が成立しないこととなっています。
パチンコやパチスロは、遊戯客が出玉を特殊景品と交換し、パチンコ店とは別の景品交換所で特殊景品と現金を交換するという仕組み(いわゆる三店方式)になっているため、賭博には該当しません。
刑法185条にいう賭博罪は、次に述べる常習賭博罪と区別するために、単純賭博罪とも呼ばれます。
(2)常習賭博罪
常習賭博罪は、常習として賭博を行った場合に成立する犯罪です(刑法186条1項)。
常習性の有無については、賭博の種類、賭け金の多少、賭博が行われた期間、賭博前科の有無などを総合的にみて判断します。
(3)賭博場開帳等図利罪
①賭博場を開帳して利益を図った場合や、②博徒を結合して利益を図った場合には、賭博場開帳等図利罪に問われます(刑法186条2項)。
①は、自ら主催者となって、賭博場を開設することをいいます。
例えば、自らカジノを開設し、手数料等の名義で利益を得ようとした場合には、この罪が成立することになります。
②にいう博徒とは、常習的・職業的な賭博行為者をいいます。
自己が中心となって博徒との間に親分・子分のような人的関係を結び、一定の区域(縄張り)内において随時賭博を行う便宜を提供した場合には、この罪が成立することになります。
2 賭博の罪の刑罰
(1)単純賭博罪
法律上、50万円以下の罰金又は科料が予定されています。
罰金とは、1万円以上の金銭罰、科料とは、1000円以上1万円未満の金銭罰のことです。
また、法律上、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」には、賭博罪は成立しないとされています。
具体的にいくらまでといった基準はありませんが、ジュース1本を賭けたじゃんけん程度であれば、賭博罪は成立しないと考えられます。
過去の裁判例では、金銭は、性質上一時の娯楽に供する物ではないとされているため、少額であっても金銭を賭けた賭博行為は、理屈上は賭博罪が成立し、罰金や科料の対象となります。
(2)常習賭博罪
法律上、3年以下の拘禁刑が予定されています。
単純賭博罪のような罰金刑は予定されていません。
(3)賭博場開帳等図利罪
法律上、3か月以上5年以下の拘禁刑が予定されています。
罰金刑は予定されていません。
3 賭博事件の刑事手続の流れ
(1)単純賭博罪
単純賭博罪は、罰金刑しか予定していないため、逮捕されずに在宅事件として捜査が行われる傾向にあります。
もっとも、逮捕が行われないわけではありません。
特に、暴力団や反社会的勢力が関わる悪質な賭博事件では、賭博店を含めた一斉摘発により、客である一般人も逮捕される可能性があります。
逮捕された場合には、逮捕から48時間以内に、検察庁へ送致されます。
検察官は、引続き身柄を確保する必要があると判断した場合には、送致から24時間以内に、裁判官に勾留請求をします。
裁判官は、これを受けて、勾留する必要があると判断した際には、10日間の勾留決定をします。
勾留期間は、さらに最大10日間延長されることがあります。
検察官は、この期間内に捜査をし、起訴するかどうかの最終的な処分を下します。
起訴する場合には、略式起訴という簡易な手続で、罰金刑を求めるのが通常です。
(2)常習賭博罪・賭博場開帳等図利罪
常習賭博罪・賭博場開帳等図利罪における刑事事件の流れも、単純賭博罪と同様です。
もっとも、これらの罪に、罰金刑が予定されていないため、略式起訴がされることはありません。
起訴されるとすれば、正式起訴(公判請求)であって、公開の法廷で審理が行われることになります。
常習賭博罪で逮捕・勾留されても、捜査の結果、常習性が認められない場合があります。
その場合には、単純賭博罪として、略式起訴される可能性はあります。
4 賭博事件の刑事弁護のポイント
賭博事件は、被害者がいないため、示談や被害弁償ができないという特徴があります。
そこで、反省の意を証するため、更生支援団体や犯罪被害者支援団体などの適切な団体に贖罪寄付をすることが考えられます。
また、賭博事件の原因・動機がギャンブル依存症にある場合には、医療機関における診察・治療を行ったり、家族ぐるみで金銭管理の方法を見直したりすることも有効です。
そして、このような活動を実際に行ったときには、弁護士が報告書にまとめて捜査機関・裁判所に情状事実として提供するなど、少しでも有利な処分・判決を獲得するための弁護活動を行います。
5 弁護士にご相談ください
公営ギャンブルが適法であるために、特段の違法性を感じることなく、賭博行為を行ってしまう方もいるようです。
近年では、オンラインカジノを行い、書類送検や略式起訴がされたというニュースも目にします。
賭博事件でお困りの方は、当事務所の弁護士にご相談ください。
経験豊富な弁護士がお話を聞き取り、適切なアドバイスをいたします。
また、ご依頼いただいた場合には、最適な弁護活動を行います。
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