1 傷害致死罪とは?

傷害致死罪とは、人の身体を傷害し、その結果、人を死亡させてしまった場合に成立する犯罪です(刑法205条)。

死亡の原因となった暴行・傷害行為については、故意を必要とします。
暴行・傷害行為に故意がなければ、過失致死罪の成立を検討することになります。

一方、死亡結果の発生については、故意は不要です。
仮に死亡結果の発生についての故意、すなわち、殺意が認められる場合には、殺人罪の成立を検討することになります。

簡単なイメージとしては、わざと人に攻撃して傷害を負わせ、うっかり死亡させてしまった場合に成立するのが傷害致死罪です。

2 傷害致死罪の刑罰

傷害致死罪が成立する場合には、3年以上の有期拘禁刑が予定されています。
拘禁刑とは、刑務所に収監される刑罰です。

3 傷害致死事件の刑事手続の流れ

(1)逮捕・勾留

傷害致死事件では、被害者が亡くなっていること、裁判員裁判の対象事件であること、刑罰が3年以上の有期拘禁刑と比較的重いこと等から、逮捕・勾留される場合が多いです。

逮捕された場合には、身体拘束をされた時から48時間以内に、検察官に送致されます。
検察官は被疑者を受け取った時から24時間以内に勾留請求をし、裁判官が勾留請求を認める場合には10日間身柄が拘束されます。
勾留期間は、更に10日間延長されることがあります。

勾留の要件がない場合や、途中でなくなった場合には、身柄が解放され、いわゆる在宅事件として捜査が進みます。

(2)起訴・不起訴の判断

検察官は、最大23日の捜査を通して収集された証拠をもとに、起訴するかどうかを判断します。
起訴された場合には、刑事裁判へと進みます。
一方で、証拠や情状を踏まえ、不起訴処分となる場合もあります。

(3)刑事裁判

起訴後の裁判は、公開の法廷で行われます。
傷害致死事件は、裁判員裁判の対象となるため、裁判官に加えて裁判員も審理・評議に参加します。

傷害致死罪で起訴された場合には、裁判員裁判の対象となります。

4 傷害致死事件の刑事弁護のポイント

(1)罪を認めている場合

傷害致死事件は、結果的に被害者の生命が奪われています。
そこで、まずは被害者のご遺族との示談を試みることが有効です。

もっとも、ご遺族としては、大事な家族を失ったわけですから、示談交渉そのものを断ったり、請求額が過大であったりすることも少なくありません。
このような場合には、弁護人が法律の専門家として、条件が適切かどうかアドバイスをしながら、合意に向けた活動をしていくことがポイントとなります。

また、傷害致死事件として起訴された場合には、裁判員裁判の対象となる関係で、公判前整理手続という手続に付されます。
これは、事件の争点と証拠を整理するための手続です。
この手続の中で、争点整理、証拠の整理を適切に行うことで、罪を認める場合であっても、被告人にとって有利な進行をすることが可能となり、弁護人としての真価が問われる一面です。

(2)罪を認めていない場合

罪を認めない場合、どのような理由によるかをはっきりさせる必要があります。

否認事件においては、取調べ対応が特に重要となります。
取調べにおいてどう供述するか黙秘するか、調書に署名・押印するかどうか、といった一見単純な選択にみえることが、大きく結論を左右することがあります。

人生において取調べを受けることはなかなか無いことですから、専門家である弁護人とよく相談のうえ、方針を決めていく必要があります。

5 傷害致死の刑事弁護は当事務所にご相談ください

傷害致死事件は、裁判員裁判対象事件であり、社会的な関心も高い部類の犯罪類型です。
そのため、事件後の対応を誤ると、長期間の身体拘束につながったり、裁判において不利な事情として扱われたりする可能性もあります。

もっとも、早い段階で弁護士が関与することで、取調べへの対応、身柄解放に向けた活動、示談交渉、情状立証など、できることは少なくありません。

傷害致死事件を起こしてしまった方、傷害致死事件でご家族が逮捕されてしまった方は、できるだけ早く当事務所へご相談ください。
刑事事件に精通した当事務所の弁護士が、ご相談や弁護人としての対応を承ります。

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