1 証拠隠滅等の罪とは?

(1)証拠隠滅等の罪に該当する行為

証拠隠滅等の罪とは、次のいずれかの行為を行った者に対して成立する犯罪です。

①「他人の刑事事件」に関する証拠を「隠滅」すること
②「他人の刑事事件」に関する証拠を「偽造」または「変造」すること
③「他人の刑事事件」に関する「偽造」または「変造」された証拠を使用すること

(2)「他人の刑事事件」とは

証拠隠滅等の罪の対象となる証拠は、「他人の刑事事件」に関する証拠に限られ、「自分の刑事事件」に関する証拠は含まれません。
このように定められているのは、人間の心情として、自分の刑事事件に関する証拠を隠滅等しないことを期待するのは無理である(期待可能性がない)と考えられるからです。
なお、犯罪を行った者が、自分の判断で証拠を隠滅等しないことは期待可能性がないと考えられているに過ぎないため、自分の刑事事件に第三者を巻き込んだ場合(第三者をそそのかし、第三者に自己の刑事事件の証拠隠滅等をさせたようなケース)には、証拠隠滅等の罪の教唆犯が成立します。

他方で、共犯事件において、自分と共犯者に共通する証拠の場合、証拠隠滅等の罪の成立を認めた判例があるので、注意する必要があります。

(3)「隠滅」「偽造」「変造」とは

「隠滅」とは、証拠の顕出を妨げ、その効力を滅失、減少させる一切の行為をいいます。
これには、証拠物を物理的に損壊する行為のみならず、隠匿する行為も含まれます。
また、物的証拠のみならず、人的証拠(証人・参考人など)も証拠となるため、このような人物を隠匿するような行為もこれにあたります。

「偽造」とは、実在しない証拠を実在するかのように作り出すことをいいます。
「変造」とは、既に存在する証拠に改ざんを加えることをいいます。

2 証拠隠滅等の事件における刑事手続の流れ

逮捕された場合には、逮捕から48時間以内に事件が検察庁へ送られます。
検察官は、引き続き身柄を拘束する必要があると判断した場合には、事件を受け取ってから24時間以内に裁判官に勾留請求をします。
裁判官は、勾留する必要があると判断した場合には、勾留決定をします。
勾留期間は最大10日間ですが、それに追加して最大10日間勾留期間の延長がされることがあります。

逮捕・勾留するかどうかは、証拠隠滅や逃亡のおそれの有無で判断されますが、証拠隠滅等の罪に該当する行為は、捜査を妨害する行為に該当しますので、逮捕・勾留を回避することは容易ではありません。

そのため、早期に弁護士に相談し、自首も検討しつつ、逮捕・勾留を回避するための活動を適切に行う必要があります。

3 証拠隠滅等の事件における刑事弁護のポイント

(1)罪を認めている場合

証拠隠滅等の罪は、突発的な衝動で行ってしまうものではなく、他人との利害関係や、何らかの経緯があって行ってしまうことが多いように見受けられます。
そして、具体的な経緯によっては、不起訴処分や、略式起訴(罰金)も見込まれる可能性があります。
そのため、証拠隠滅等の罪に該当する行為をしてしまった場合には、速やかに弁護士に相談し、証拠隠滅等の内容に応じて必要な資料の準備や捜査機関への事情説明を、ご自身や弁護士を通じて行っていくことが非常に大切です。

(2)罪を認めていない場合

罪を認めない場合には、どういった理由により罪が成立しないと考えるのかを、捜査機関や裁判官に適切に伝える必要があります。
また、伝える場面も慎重に検討する必要があり、必要に応じて黙秘権を行使しつつ、いつ・どのようにして伝えるのか、弁護士と適切に打ち合わせをしたうえで判断する必要があるでしょう。

4 証拠隠滅等の刑事弁護は当事務所にご相談ください

証拠隠滅等の罪に該当する行為をしてしまった場合でも、その経緯や具体的な内容によっては、不起訴処分の可能性もあります。
また、証拠隠滅等の罪に該当する行為を行っていないのであれば、疑いをかけられている経緯やご事情を踏まえ、適切に対応していく必要があります。

証拠隠滅等の罪でお困りの方は、お気軽に当事務所の弁護士にご相談ください。

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